サンディエゴレポート

-悪の総司令、サンディエゴに行く1998-

 

悪の総司令アリアは、世界平和と、環境問題の解決と、自分の趣味のために、世界征服をたくらむ悪の秘密結社ゴルコムの司令官である。奇妙愛軍曹とネバダ二等兵を従えて、颯爽とアメリカ大陸へと世界征服の下準備に出かけるのであった。往年のタイム○カンシリーズの悪役トリオのようなへっぽこな設定だけど細かいことは気にするな

悪の総司令

「アメリカだ、USだ。西海岸に行って、界征服若手の会』としては世界征服のあしがかりをつけるのだ。できれば、大統領選に立候補もできるといいな。」

軍曹

「閣下、しかし、若手の会という名称は…。」

悪の総司令

「ばかめ、普通、科学の分野の学会でも『若手の会』(註1)はつきものだ。そうすれば、たとえおやじでも自分が若手だという自信ができて、研究にいそしめるではないか。それと同じ事。世界征服も楽しくやらねば。」

軍曹

「『世界征服苦手の会』」

二等兵

「『世界征服わかってんのかい』」

悪の総司令

「『世界征服はやってんのかい』」

軍曹

「『世界征服勝手の会』」

二等兵

「『世界征服はかっての鵜飼い』」

悪の総司令

「えーい!!!お約束のボケをかましているんではない。きりがないわあ!。貴様らそれでも軍人かぁ。さ、飛行機にのるぞ。」

二等兵

「しかし、そのナチスの将校みたいな派手な格好で入出管理でとおるんでありますかね?」

悪の総司令

「ちょっとコスプレしてみただけだ。世界征服もカタチから入るのが基本だからな。もちろん着替えるに決まっているが。」

軍曹

「ありゃ、意外と弱気じゃないですか?」

悪の総司令

「出国管理のおじさんは結構こわいのだ。これも戦略的見地からの行動といえよう。」

軍曹

「閣下、戦略はいいですけど、くれぐれも、機上でワインをきこしめしすぎませんように。オレ、側頭部なぐられるのイヤですからね。」

10時間のフライトの後に飛行機は無事西海岸ロスアンジェルスに到着、そのとき奇妙愛軍曹、及びネバダ二等兵の後頭部に、たんこぶができていたのが確認された。無事入管を済ませた一行は目的地サンディエゴに向かい国内線に乗り換えた。

 

二等兵

「ところで、閣下、この巨大な荷物はなんでありますか?」

悪の総司令

「ん?布団と枕だ(註3)。」

軍曹

「・・・・・・布団と枕ぁ?」

悪の総司令

「私はデリケートだから、布団と枕が変わるとねられんのだ。」

二等兵

「で、我々がその荷物もつわけですね。とほほ・・・・・はあ」

軍曹

「引越やないんやから・・・・・・」

悪の総司令

「う、うるさい、国内線にのりかえるぞ。」

軍曹

「閣下、本当にこの飛行機ですか?なんかなつかしのプロペラ機でえらく振動がきついんですけどお。」

二等兵

「しかも、チケットに書いてある番号のがありませ〜ん。(註4)どこにすわるんでしょう?。」

悪の総司令

「ネバダ二等兵は飛行機の上にくくりつけていくことになってる。たったの30分だ。がまんしろ。

二等兵

「了解!・・・って、ええっ!?(@@;)」

軍曹

「冗談ですよ、泣かないでネバダさん。フライトアテンダントがどこでもいいから座れっていってます。

二等兵

「うーん。いい加減な飛行機だなあ。」

軍曹

「飛行機の国内線なんて、バスのかわりみたいなものだし、アバウトな国民性もあるし、細かいことは気にしないのが一番みたいですねえ。」

二等兵

「うわー、日本と空の色が違いますねえ。海岸線がものすごくきれいだ。」

軍曹

やっぱ、ひろいっす。三階建て以上の建物(註5)がほとんどないなあ。気候もめちゃめちゃいいじゃないですか。風が冷たいけど。」

悪の総司令

「うむ。世界征服のあかつきには、ここに本部をつくるつもりだからな。カリフォルニアは気候はいいし、海では遊べるし、動物園もディズニーランドもユニバーサルスタジオもある。シーワールドではキラーホエールとも遊べるぞ。

軍曹

やっぱり、閣下の世界征服は個人的な趣味のためですねぇ。志が低いとうか・・・・。自分ばっかしというか・・・・。お子様というか・・・・。」

悪の総司令

「ん?何か言ったか?軍曹」

サンディエゴに到着し、ホテルにチェックインした後、一行はさっそく市内の散策に出かけた。なお、奇妙愛軍曹のたんこぶは、いつのまにか2個に増加。

 

軍曹

「これだけ、広い割には大した大きさの街ではないですねえ。」

二等兵

「でも、街の真ん中には大きなビルがあるなあ。ビルのかたちもいろいろで、デザインが面白いし。きれいだなあ。」

悪の総司令

うむ。東京が巨大すぎるのだ。ここサンディエゴだけでなく、アメリカの都市全部が日本でいえば地方都市程度で、人が少ない。日本の大きさはこのカリフォルニア州と同じなのだが、人口はアメリカの半分もいるんだ。」

軍曹

「へーここだけが田舎なわけじゃないんだ。」

悪の総司令

「所詮、ニューヨークもLAも田舎都市にすぎん。アメリカは巨大な田舎国家だ。あははははははは」

軍曹

「か、閣下、大きな声で。日本語の分かる人も結構いるんだから。」

二等兵

「でも、ほとんど人が歩いていませんね。ちらほら程度。」

悪の総司令

「完全な車社会だからな。観光客以外は歩いてないのだ。公共の交通機関も日本ほど整ってないしな。まあ、それに、夜は治安も悪いし。昼間でも一応気を付けた方がいいぞ。」

二等兵

「えー。そんなあ。こんなにきれいな街なのに〜?」

悪の総司令

「サンディエゴはそれでも観光都市なので、ましなほうだ。」

軍曹

「そうか、映画のようにここで銃撃戦するんですね。ペキンパーのアレや、ジョン・ウーのナニのように。うふふふふふふ」

悪の総司令

「いや。その解釈はちょっと・・・・・ああ、目がイっている。」

二等兵

「閣下!アイスクリームスタンドを発見したであります!世界征服の第1歩として、アイスクリームの攻略を始めたいと思います!(瞳キラーン!)」

悪の総司令

「許可する。私はミントチョコを戦略拠点とする。」

軍曹

あ、ネバダさん、ずるい。私もダブルがいい。ラムレーズンとクッキー&クリーム。トッピングはキャンデーのがいいなあ。」

二等兵

「あらら、閣下、せっかくのアイスクリーム落っことしちゃった。(註6)もったいないなあ。・・・・・・スタンドのおじさん、え、もう一個くれるんですか?さすがアメリカ人は太っ腹だなあ。」

軍曹

「それにしても、コーンがサクサクしててうまいっすね。ぬう、さすが侮りがたし、アメリカ。やはり早急に征服せねば。」

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