4日目

今日から教授はフリー。
なので、期待のフィラデルフィア美術館に行くことにする。
アメリカで4番目に大きく、膨大な美術品を誇っている、という情報をあらかじめネット上で得ていたので。

PHLASHという観光用のバスは循環線で市内をまわっている。15分ごとというから、かなり便利だ。一日パスが5ドル。リーズナブルなお値段。これですぐに美術館にいってもいいんだけど、昨日徒歩で行ったヒストリカルディストリクトを含めて街をバスで一周という算段。

しかしながら、子供の遠足に遭遇してしまい、バスは満員。次々と乗ってくるお年寄りに、仕方がないので立つことに。うーん、外を見るどころではない。

おまけに、小学生に持っていた地図を貸してくれと頼まれるし。宿題なんだから、ちゃんとガイドさんの言うことを聞けとも思うが、貸すことに。「謝謝」と挨拶するので、最後に「私は中国人じゃなくて日本人なのだぞ」と言う。東洋人みたらすべて中国人と思ってはいかんぞ。>小学生

フィラデルフィア美術館

Philadelphia美術館

なんかの銅像

博物館側面にあった彫刻
(これはアルテミス像じゃない。念のため)

やっとの思いで、美術館にたどりつく。動物園に行くという小学生たちにsay good-bye.

フィラデルフィア美術館はギリシャ風のエンタシスを模した、巨大なつくり。
とにかくメトロポリタン並に超巨大なのは確か。
フィラデルフィア大学の最初のアフロアメリカンの卒業生が設計したのだそうだ。

当初、展示物も少なくて、巨大なガレージと陰口をたたかれしたりしたのだが、多くの寄付があつまって、現在では膨大なコレクションを誇っているらしい。さすが、富の集積にかけては、アメリカ合衆国はすごいなあ。

PHLASHが止まったのが、横側だったので、側面の玄関から入る。玄関横には、黄色いスクールバスが一杯。うーん、こりゃガキんちょが一杯いそうだなぁ。

で、正面側の階段にまわると美しいアルテミスの裸像が…。
一糸まとわぬ姿で弓を構える銅製の彫刻だ。(写真撮影は不可)
非常にダイナミックな作品で、私は大好き。これが最初広場に飾られたときは「扇情的にすぎる」などというアホな理由で撤去されたらしい。精悍かつ美しい銅製の像に不埒なことを考えちゃうほうが品性を疑われそうな気がするが。どこの国にもわからないことを言う人間はいる、というお話。
結局、ちゃんとこの美術館に飾られるようになったんだから、めでたし、めでたし、だけど。


まずは、近代美術からまわることにする。ルノワールとかゴッホとかマネとかクレーとかダリとか、超有名どころがずらり。


建物の中身自体が大きくて、ゆったりとした展示がなかなかいい。そのほかにもたくさん印象的な絵があって、楽しい。

爽やかなかすかな水音を立てている方向に行くと、部屋の真ん中に小さな池があり、そのまわりに椅子やベンチがある。その椅子に座りながらモネの睡蓮が見られるという非常に贅沢なつくり。素晴らしい。

美術館から望むダウンタウン

美術館からダウンタウンを望む


美術館たれ

たれも美術館でのんびり

お昼になったので、地下の美術館のレストランへ。カフェテラスとレストランの両方があるのだが、レストランはいささか値段が高そう。
かなり混みあってはいるものの、まあ、座るところがなんとかなりそうだったので、カフェのほうに行く。サラダバーがあって、量り売りらしい。あと飲み物なんかもセルフサービスで、レジでお金を払うタイプ。気楽で楽しい。

アメリカの場合、どうしても食べ物の量が多いので、自分の好きな分量だけとって食べられるというシステムは嬉しい。
サラダもサーモンの固まりとか小エビサラダとかまであって、味も結構。
それにしても、東海岸なのでパンが美味しいのが嬉しい。(テキサスやサンフランシスコではパンが悲惨。日本のほうがまだ美味しいパンが食べられる。)

お腹が一杯になって、ちょっと甘めに砂糖をいれたフレイバーコーヒーを飲んで、少しだけ元気を回復して、次の展示を見に行く。

中世の宗教絵画 オリエント、と見ていくうちにだんだんとアジアに踏み込んでいく。
途中に部屋まるごと教会の中身を持ち込んでいたり、スペイン風の修道院を再現していたり。中国のお寺の中身とか、日本の茶室とか。絵画や彫刻だけではなく、飽きさせない。


最終的に足がくたくたになって、ホテルにもどった。なのに何故かホテルのベッドメイキングが終わっていないというアクシデントが。

仕方がないので、途中ハッピーアワーでビールも飲みに。かなりくたびれて目線がうつろな私に、バーテンダーのおっちゃんが大丈夫か?と何度も尋ねられてしまう。大丈夫っす。へろへろだけど。

従って夕食に出る元気もなく、教授がやっとみつけてきたカップラーメン。ま、いろいろと食べ過ぎているので、おっけーかも。

ホテルの前庭

ホテルの前庭


その4へつづく