3日目

2日続けて夜がちゃんと寝られなかったので、いさかさか朝食会にいくのもつらいけど、とりあえず出席。

朝食を食べていると、いきなり眉毛を剃ったコワモテのスーパーモデルみたいな女の人が壇上に上がり、フィラデルフィアマフィアの話を始める。彼女は本日のイタリアンマーケットツアーの案内人らしい。(私は申し込んでいなかったので欠席)フィラデルフィアマフィアの歴史の本とか、イタリアンレシピの料理本なんかを書いている人で、犯罪学のオーソリティなんだそうだ。彼女の母方の親戚はマフィアだったらしく、いまでも親戚には現役のマフィアがいるとか、いないとか。

彼女によれば、合衆国の歴史は半分マフィアの歴史であり、その暗部を見ないことには歴史は語れないとのこと。もっともな話である。移民たちは最初自分たちの生活が上手くいくために、語学のたっしゃで世間知にたけた人々の先導を必要とした。それが後年マフィアとなり組織的犯罪に結びついていく。

シカゴにもニューヨークにも勿論マフィアはいるけれど、フィラデルフィアマフィアというのは性格的に違うらしい。だが、どう違うかという肝心のところが聞き取れない。早口の英語をずっと聞いていると昨晩寝てないのも手伝って頭痛もしてくる。明らかにヒアリング能力が落ちているなあ、としょんぼり。
とはいえ、なかなか面白い話しが聞けたもの確か。

喧噪の Philadelphia

コーヒーを飲むたれ

ロビーの噴水の前で。(本当はもっと暗い)
朝食用のコーヒーを持っている。

寝てないのがたたって、この日はあまり動けず。
しかも、街を歩いていると突然雨が降り出す。しばらくすると小やみにはなるけれど、街の散策にはあまり向かない。

近くに消防署があるのか、時折サイレンの音とともに消防車がまちなかを通り過ぎる。いや、ラッシュにあって通り過ぎることができない。道路が狭すぎるのだ。強烈なサイレンとクルマのクラクションの喧噪が交錯する。
日本の街中以上に交通が麻痺しているようだ。

昨日の今日ではさすがにお肉はやめようね、ということになり、夕飯はイタリア料理のビストロに。イタリア系移民が多いこの街では、イタリアンレストランも多い。

ちょっと味が濃いめかな。ここもとにかく量が多い。最後のコーヒーもいらないって感じ。

この日はやっと浅い眠りにありつく。でも、今度は教授のほうが発表が終わってほっとした途端に時差ボケがでたみたいで。夜中に起こされる。ったく。

4日目

4日目の朝食会。今日はなにも朝食会用の講演がなくて、ちょっとホッとしたりして。日本料理を初めて食べたというカナダ人のおばあさんとお話。枝豆が大豆だと教えてあげるとびっくりしていた。
彼らは大豆の大量生産をしている国なのに、豆が若いうちに食べることはしないらしい。

午後からは教授がフリーだったので、ヒストリカルディストリクトに徒歩で行く。
自由の鐘とか、アメリカ最初の議会場だとか。合衆国憲法が制定された場所とか。
ここは世界遺産にもなっている。
アメリカ人にとっては心のふるさとなのかもしれないが。思い入れのない外国人にはいささか。

しかもテロ事件の影響で、中に入るためには何重ものセキュリティチェックを受けないといけない。アメリカの象徴ということでテロの標的になると考えられているらしい。とんでもなく長い行列に我々は中に入るのをギブアップ。

court

最初のアメリカ政府議会場



勉強家なあさたれ

真剣に説明を読むあさたれ。読めるのか?


何故かビクトリア調のコスプレをしたひとたちが道を歩いている。最初観光用の宣伝?などと思ったのだが。
どうもよくわからない。何かのコスプレであるのは確かなんだけど。コスプレといってもさすが本場なので、よく似合っている。

とはいえ、ちょっと写真に撮ってくれとお願いするのは気がひけたので、残念ながら写真はない。

ダウンタウンを縦断するような形で歩いたので、少々くたびれ、夜のパーティに備えて休憩。


本日は電気化学会の100周年記念パーティ。結構正式なパーティらしく、思いっきりドレスアップしておいでと書いてある。
パーティはクリスタルボールルームという滅多に入れないような場所。豪奢なシャンデリアが何基もある豪華極まりない部屋。天井の高さが半端ではない。
後ろのあいたカクテルドレスのレディまでいる。
料理も略式ながらもフルコース。サーモンの大きな固まりがフィレステーキといっしょにでてくるし。

百周年記念パーティということで、長々としたスピーチでも聴かされるかと思っていたら、挨拶は結構短い。で、それで終わるかと思ったら…

100aniverthary

パーティ会場。かなり広い。

その後、OHPに宇宙の画像とともに黄色い文字で、a long time ago, in a society far far away と…
つまりは5月16日に公開されるStar Wars episode2にひっかけて、SWのパロディをやらかそうというのだ。
実際は10年ごとに区切って電気化学学会の歴史をひもとくだけの話しなのだが、スピーカーはまるでスタンディングコメディアン。マシンガンのようにジョークの連続で場内爆笑。内輪受けも多いけれど、聞き取りに不自由な我々でさえ飽きさせない。
2人の教授の写真をしめして、Master& Padawanと紹介する。more than one ,less than two とヨーダの声真似までする。エンターテーナーだなあ、アメリカだなぁ、バカ(尊敬)だなぁと呆れる。これがSF大会とかじゃなくて、学術会議のレセプションなんだよ…。こんなの日本でやったら大顰蹙に違いない、いいなあアメリカは。

ということで、思いがけないエンタテインメントショーにびっくりしつつも、めっちゃ楽しかった。


その3へつづく