初日

フィラデルフィアといえば、エクスペリメント。戦艦が消えちゃうトンデモ映画の舞台としての理解しかなかったけれど、聞けばアメリカ建国の地とか。

歴史のないアメリカ合衆国で、世界遺産にもなろうかというと歴史建造物が並ぶ街。
映画「シックスセンス」の舞台であり、建国以来の幽霊がさまよっているらしいので、ちゃんとゴーストツアーなんぞもあるという。アメリカのプラハ(百塔の街)とも呼ばれる暗く陰鬱でホラーにぴったりの街でもらしい。
偏った方向で期待がもりがる。うーん、楽しみ。楽しみ

とはいえ、12時間以上のとんでもなく長いフライトの末にデトロイト経由でたどりついてみれば、そこはごく普通のアメリカ都市。

まあ、あたりまえといえば当たり前だけど。なにぶん、霊感にはまったく恵まれぬ体質なので、ゴーストも寄りつきゃしない。いや、見たいわけじゃありませんが。実際、私は怖がりなので。

ホテルはダウンタウンの真ん中なので、余計に普通に思える。都会はどこでも同じ顔をしている。

 

だからさ、全員は連れて行けないんだからさ。(説得)


デトロイト空港-空港内をモノレールが走っている。

デトロイトも成田も911事件の余波は免れ得ず、荷物のチェックは大変に厳しい。係官はものすごくぴりぴりしている。特にドメスティックへの乗り換えのときには、ランダムに大変厳しいボディチェックが行われていた。
噂通り靴底まできっちりと調べている。

あまりの厳しいチェックにボディチェックの対象となったおじさんも呆れ顔。それにしても完全にランダムなのか、それとも経由地その他で対象を決めているのか、よくはわからない。幸い私たちはボディチェックにはひっかからずにすんだけど。

そんなこんなはあったものの無事フィラデルフィアに到着。天候は曇り。いささか蒸し暑い。空港からはタクシーで。

相変わらずこっちのタクシーの運転手さんは携帯電話で話ながら片手運転。内心でヒヤヒヤ。チップをもらうときだけ愛想がよくても困るんだが。


泊まったホテルはMarriot。このホテルは建物の感じがどこでも同じコンセプトで、コーラルピンクのちょっと甘ったるい感じ。

部屋に辿り着き、恒例のたれホテル写真の撮影。こうやっておかないとたれたちのご機嫌が悪くなるので。
それからPBG4が無事に運べたかどうかをチェック。たれたちが守ってくれたおかげで、ちゃんと正常動作。うんうん。私の肩と腰のほうは慣れない重さに痛んでるけど。

それでも、普段使用している環境がそのままどこでも持ち運べるってのは本当によいな。前の2400の時はあくまでモバイル用という感じだったけど、今回は普段使用しているソフトがすべて動いてくれるわけだし。調子にのってLWまでインストールしてきたので、キーを差し込み動作させてみる。これでどこでもモデリング。でも、アメリカくんだりまできて、なんでポリゴン貼ってなくちゃいけないんだ。

さて、ここで疲れ切った私は一休み。教授は付近の街並み探検にでかける。
カップラーメンとコークを仕入れにいったのだろうけど、生憎コークしか手に入らなかったらしい。ミキサーがあるとのことだが、私は疲れ切っていてパス。いや、もう、顔が寝ているんで、パーティ会場なんて恥ずかしくて行けない状態。

マリオットホテル

教授ひとりでミキサーにでかけて、ビールを1本飲んできたらしい。何もおつまみもない状態でいささか寂しい感じのミキサーだったとか。

彼がもどってきた後、出発の時に福岡空港で買いこんだ鯖寿司と鰯寿司をぱくつく。夜に出かけるのも面倒だし。長旅で疲れた身体に、甘酸っぱい酢飯が美味しい。

実は機内食がまずくて食べられなかった時用に買ったんだかが、今回は特別に美味しいというわけではないが、食べられないほどでなかったので、そのまま持ってきてしまったのだ。

うむ。これから海外便のときには、このように保存のきくお寿司を買って乗るというのはなかなかよいアイデアかも。




いつものごとくホテルの部屋で撮影会

二日目

で、朝の2時30分くらいにぱっちりと目が覚める。時差ボケ。教授を起こさないようにしつつ、iPodで片端から曲を聴いてすごす。こんなときにも役立つなあ。

最初の日の朝、私はaccompanied person用の朝食会にでかける。今日はフィラデルフィアの街に関するオリエンテーションもある。
果物と飲み物、ベーグルとシリアルというアメリカっぽい朝食を自由にとりながら、ご婦人方といってもかなり高齢な方々と優雅な朝食。これが結構肩が凝るのだ。

こちらのたどたどしい言葉に、「まあ、お上手に英語を話せるのねえ」などといわれると、ときどき自分が大人の席に混じってしまった子供のような気がするわけで。ま、仕方ないことだけど。

とはいえ、そこはひとなっつこくおしゃべりなアメリカのおば様方、コーヒー片手に仲良くなる。ツアーには行かないと言うと、「Why not」と残念がられる。一個くらい参加しておけばよかったかなあ…と後悔。

その後はひとりで街に散策へ。といっても、適当。まず近くに市場のようなところを見つける。しっかり生活臭の強いところだ。肉屋に魚屋、野菜屋、チョコレートの匂いにあふれかえっている。中にはたくさん食べ物屋があって面白そう。昼ご飯はここだね、と目星をつけておく。

その後、ヨーロッパスタイルの古い市庁舎を横目にみつつ、街を散策。タワーレコードが早速目についたので入る。
5/16のスパイダーマンの大ヒットとエピソードIIの公開とで、店内はその2つの広告がいっぱい。
いきなり目に入ったのがアニメージュレコード芸術。両方とも日本語のまま。誰が読むんでしょう。
あとAnimericaなどというUS用のアニメ雑誌とかもあったぞ。日本製アニメーションの「日本製」という言葉が消える日も遠くないかも。


昼ご飯には、アメリカンスタイルのハンバーガー。も、これは本場の味を堪能。ミートは脂っ気が抜けた炭火焼きで、お肉の味がしっかりとしてボリュームもある。新鮮なレタスとオニオンとトマトがぱりっとしている。これだよ、これ!。ファーストフードのハンバーガーなんて、紙を食べてるようなもんだ。
ダイエットソーダを飲み、ジューシーなハンバーガーをほおばると、ああ、アメリカに帰って来たんだなあ、としみじみ。やはりその風土にあった食べ物というのは格別の味。

ホテルの部屋からにはイーサネットの端末があって、ここのノートパソコンをつなげば、常時接続環境しかも高速が手に入る。お昼の12時から12時までで10ドル。ダイアルアップでつなぐつもりで用意をしてきたが、一回接続するだけで1ドル以上課金されることを考えると、これはもう常時接続に限る、ということになりさっそく接続する。

これでネットの状況もつかめるんだけど、同時に日本の仕事ががんがん入ることにもなる。まあ、安心といえば安心なんだけどね。

エレガントな市庁舎


夕方、会議参加者の日本人のひとたちと夕食。フィラデルフィアでも最高級のレストランとのことで、男性のドレスコードはスーツ着用。

日本を出るときに入れたはずがなかった買ったばかりのスーツが何故かスーツケースの中に入っていた。そのおかげで助かる。いや、寒いとばかり思っていたので、薄手の洋服がまったくなかったのだ。まぬけにまぬけを重ねると何故かOKになるという珍しい状態。

レストランはピアノ演奏まで入って、確かに優雅な雰囲気。
おしゃべり等をしているうちに、いきなり超巨大なリブロースステーキが運ばれてきてびっくり。幹事のひとが気をきかせて全員に同じものを頼んでくれたらしい。それにしてもステーキは巨大すぎ。何ポンドあるの、と給仕のひとに尋ねると1.5ポンド(約700g)だって。
大変に美味しいのだが、さすがに入らない。1/3くらいでギブアップ。ホテルステイでなければ、持って帰りたいところなんだけど…。それでも当分ステーキの顔は見たくないかも。
自分で選んでないだけに、もったいなさがひとしお。食べられるかどうか、先にきいてくれぇ(涙)。

この日、少しワインを飲み過ぎたらしく、またまた夜中の2時頃に目が覚める。
仕方がないので、「アマデウス」のサウンドトラックを最初から最後まで聞くことに。(このサウンドトラックCDは3枚組の圧巻なのだ。)レクイエムを聴くころには、夜がしらじらと明ける。

その2へつづく