1日目(午後) ベルサイユ宮殿 Chateau de Versailles

ベルサイユまで、郊外列車に乗って自分たちで行くことも考えたのだが、ここはやはり便利な半日ツアー。ホテルまでピックアップにきてくれるし。

ツアーはアメリカ人、韓国系のアメリカ人とカナダ人と私たち。ツアーのガイドさんは日本語も堪能。英語で喋ったのちに日本語にもなおしてくれるので、私たちは解説が2回聞けることに。

宮殿までは、車で約1時間くらい。

かのベルサイユである。やっぱりアレだよねえ、と池田理代子マンガの絵が頭の中で踊るのは仕方がないところ。(ちなみに私は原作至上主義。)このマンガのおかげで日本人の一部はフランス人並に、ことによると一般的フランス人以上にフランス革命史に詳しいのかもしれない。マンガ恐るべし。

太陽王ルイの像

ベルサイユ外観

で、いきなり、広場にはかの有名な太陽王ルイ14世の銅像がたっている。ああ、これこれ、とまるで旧知にあったかのように。

宮殿の内部も、池田理代子先生の描いた細密なディティールそのままに優雅なロココ様式。とにかく辟易とするほどに飾りが多い。すべて彫刻、彫刻、彫刻。絵画、絵画、絵画。飾られていない空間がないくらいに埋め尽くす彫刻。

ルイ14世が自らを太陽王と称したのは、彼がアポロンのシンボルを愛したかららしい。ギリシャ神話に題材をとった彫刻や装飾品が山ほどある。


そしてベルサイユ条約が締結されたことで有名な鏡の間へ。この部屋はルイ王朝時代には謁見の間として使用されている。

ガラスのシャンデリアと鏡と白い大理石の彫刻と金色の装飾に満ちたこの部屋は、確かに謁見の間として十分な機能を果たしただろう。

こけおどしともいえる権力者の威光を示す、美。ひれ伏す他国の使節たちの心に、当時のフランスという国家の富と力を十全に刻んだことだろう。

鏡の間。観光客が一杯。


調度品も一杯

鏡の間の反対側の回廊


見るものが多すぎて、宮殿の中で、そろそろ体力切れしてきた私たち。

それでも、庭園でのイベントが始まるということなので、そちらに移動することに。
毎週日曜日に催される噴水と音楽のショーらしい。
ガイドさんによれば、これに行き当たったのはラッキーだとのこと。

巨大な庭へ


大運河をのぞむ

宮殿を一歩でて、庭園に入ると、その対称的な緑に包まれた中視線は、大運河に。
そして、宮殿をでたところで見渡す限りを覆う大運河である。遠近の感覚が狂いそうになるほどに。
貴族たちは、この大運河に船を浮かべて水遊びをしたとのこと。
とにかく歩いて運河のところへ出るだけでも一苦労の距離がある。

そして、庭園内を荘重なクラシック音楽が流れる中、白い噴水が上がる。
と、書けば普通の公園の噴水のように思われるだろう。

だが、その数が、違う。


広大な敷地の公園のなかに、無数といっていい彫刻でふちどられた池があり、そのすべてが噴水の白煙を上げているのである。

その彫刻もそれぞれの池で、様々に異なる。神々が、馬が、魚が、カエルが、水しぶきのあがる中で時を止めている。

各種の噴水


蛙の噴水

天使像の噴水

馬の噴水


ポセイドン像の噴水

この壮大な仕掛けが300年前に作られているのだから恐れ入る。しかも、未だにそのサイフォン式の噴水のシステムを現役で使っているのだ。
この噴水の素晴らしさと壮大さに感動しつつ、大運河までを歩く。
うーん、すごいね、という言葉しかない。

さらに、くたくたになりながらも、プチ=トリアノンへの標識を見つけて、そちらに進む。いや、自分のミーハーぶりはよくわかっているが。王妃とフェルゼンの逢い引きの場所ってここかしらんとか思いながら、きれいな林に囲まれた道をいけば、やがて観光客もまばらに…。


綺麗に整備された森と小さな野の花で飾られた絨毯のような芝生。たれぱんだ写真を撮りつつ一息つくが、どうもプチ=トリアノンの影も見えない。
さすがにツアーなので、集合時間まで残りもない。あきらめて、駐車場まで帰ることになる。
後から気づいたのだが、プチ=トリアノンまでは相当に遠いらしく、カートに乗らないと大変らしい。いやあ、ベルサイユ宮殿を、甘く見てはいけない。その広大さは、とんでもなかった。

朝に充電したデジカメの電池はぎりぎりに。メモリの残りもなく…。ツアーのぎりぎりの時間まで楽しんでホテルへ戻る。

人気のない小径


ベルサイユ宮殿の写真は枚数が多くて紹介しきれなかったので、フォトギャラリーを製作しました。
興味のある方はこちらもいっしょにご覧下さい。

その4へ続く