第十章 はり〜・ぽったれのテムズ川散策

ロンドンへ帰る
ファンタジーの街、オックスフォードは名残惜しいが、またロンドンへ戻る。ほぼ一泊のロンドン観光。
英国がはじめてのおのぼりさんとしては、やはりビッグベンだけは押さえておきたい、というのが我が配偶者殿のたっての願い。ということで、行きと同じHydeホテルに荷物を預けた後は地下鉄でロンドン観光にゴー!。

ロンドンの地下鉄網はかなり便利。第二次世界大戦の時の防空壕だったということもあり、きれいに整備されていて、たいていのところに地下鉄で行けます。路線はきれいに色分けがされていて、都市の初心者でも地図を頼りに乗り換えも簡単。(筋金入りの方向音痴の私がそういうんだから、間違いない。)。二階建てのバスで行くのも楽しいけれど、なにぶん時間がないので、我々は地下鉄オンリーで。

テムズ川と国会議事堂とビッグベン (Big Ben)
とにかくビッグベンだ!…ただの国会議事堂の時計塔なんだけどなぁ、と思いつつ、配偶者のほうが燃えているので仕方がない。時間があれば国会議事堂の見学もしたいところだけど…今回は外を見るだけ。絵はがきのような画面に、ミスマッチあさたれ(笑)。
写真に撮るには大きすぎて、撮っていないが、このテムズ川の付近にはロンドン新名所のLondon Eye(ロンドン大観覧車)が出来てます。平日にも関わらず観光客の列ができていて、ここもパス。


おのぼりさんのビッグベン!

テムズの河畔は、ジョギングコースにぴったりのようです。

伝統ある英国議会と、どこでもついてくるあさたれ。
美味しいところは全部、あさたれが持っていきます。

ウェストミンスター寺院((Westminster Abbey)

エリザベス一世陛下の墓があることで有名なウェストミンスター。英国王室御用達の教会。チャールズ皇太子と故ダイアナ皇妃との結婚式もここでしたっけ。残念なことに内部の撮影不可でした。
ヨーロッパで大きな大聖堂はかなり行ったので、もう驚くことはないとタカをくくっていたのですが…。ここは違いました。死してなおその威を示そうとする女王陛下の意志と凄まじい権力への志向を感じます。God save the Queen!彫刻で彩られた門の中に入った途端、国家と結婚した女王の高笑いが聞こえそう…。目が痛くなりそうに細部まで作り込んだ彫刻で飾られた室内。美しいというよりは「呆気にとられる」という感じ。もっともエリザベス一世の墓のとなりには、メアリ女王の墓もあったりして…。最後まで死刑執行をためらった女王の意志か、歴史の皮肉か。(と、その時は思ったのですが、エリザベス1世が後継者にメアリ・スチュアートの子を選んだからだそうです。)
英国の文学者の名前が刻まれた床や、ニュートンの墓などなども壮観の一言です。

さて、こういったゴシックの教会を見るたびに「永遠」という観念を思います。自然の変化が巡り巡っていくことを言祝ぐ日本文化に育った身にはいささか重苦しい。尖塔が天に届くようにどこまでも高く、石と彫刻で固められた聖堂はかたくなまでに厳かに、きらびやかなステンドグラスは差し込む天の光そのままに…。現世(このよ)に天上の永遠をそのまま具現することへの西洋文化の執念を見せつけられます。


あさたれもなんかびっくり。

まあ、聖堂のつくりは同じなのですが…

巨大すぎて、当然フレームには納まりません。

オペラ座の怪人(THE PHANTOM OF THE OPERA)
ミュージカル大好き人間としては、せっかくロンドンに行ったのだから本場イーストエンドでミュージカルが見たい。「オペラ座の怪人」は何度か見ているけれど、やはりヨーロッパで見るにはこれでしょう。なので、ちょっと無理してチケット屋さんでチケットを買いました。二度と見られないかもしれないし。ロンドン最後の夜を飾るには相応しい。
その甲斐あって、ロンドンのPhantomは素晴らしかったです。映画版をかなりよいと評価していたんだけど、やはり舞台には全然敵わない。Phantomが違いました。話は破綻していても、彼の歌の迫力だけで、3時間が保ちます。絢爛たるテナーの魔術。


これが Her Majesty's Theatre。ファントムの常小屋です。

劇場の内部

飾り付けからして、豪華。衣装も絢爛

その11に続く