五日目(狂騒という名のトレードセンタービルディング)




西部劇でお馴染みのバドルホイールつき蒸気船。




デッキの上のあさたれ。
本日のおともはあさたれだけ

この日はエクスカーション。会議の真ん中でエクスカーションとバンケットがあるというのも、なかなか珍しい会だ。次の日から会議出席者が目に見えて減っちゃうだろうに。

まあ、私は念願のバトルホィールに乗れるので、なんでもいいけれど。今回も船の上での飲み物チケットつき。
船はコレ
http:/www.steamboatnatchez.com/

さすがに大きな会なので、この大きな船を貸し切り。乗っている人数が多いからね。ということで化学者シップと相成る。

割と早めに船に並んだので、日陰のデッキにある椅子に座れてナイス。船が出るまでは蒸し暑い灼熱地獄だったけれど、出航すれば風が気持ちよい。

チケットとの交換で、飲み物を用意してくれるバーは長い長い行列にならぶ配偶者。さすが、アルコールとなると真剣。私は折角確保した席を守る役。

デッキで風に吹かれながら飲むビールで、すっかり良い気分。ミシシッピリバーの眺めも、最初に乗ったときよりもかなりいい。やっぱクルーズはよいです。

河畔の風景は沼地のプランテーションとか発電所とかだけど…。




川沿いにある工場。




これが船の後部にとりつけられたバドルホイール

ビールは美味しいけれど、昼間っから酔っぱらってしまうのはちとまずいので、2杯目はダイエットコークに。船が帰路につくときには冷房の効いたキャビンへ。こちらはまたディキシーランドジャズの演奏があっている。

ああ、何処に行ってもジャズ、ジャズ。さすがはニューオリンズというべきか。一番前の席に陣取ったので、この船での演奏が一番ゆっくり聞けたかもしれない。

2時間余りのクルーズだが、思いの外疲れてしまい、ホテルの一端戻って、ぐったり。このままベットに倒れ込んで眠りたいだけど、それは許されない。なにしろ夕方からはバンケットである。
今日が一番おおがかりなパーティだから、気合いいれていかなくちゃ、なのだ。




キャビンでくつろぐ化学の先生たち




ディキシーランドジャズ

所は、リバーフロントにあるルイジアナ州の貿易センター。展望台からニューオリンズの街すべてを望むことができる、その展望台でまずはカクテル。果てない地平線蛇行するミシシッピ川をのぞみつつ、ワインをいただく。ニューオリンズの街は夕日が沈みつつある。

バンケットルームは、大きなシャンデリアがいくつも配され、なかなかクラシカルな雰囲気。その中を百以上もテーブルが並んでいる。テーブルもひとりひとり席が決まっていて、最初にネームタッグを手渡される。オーガナイザーも大変だ。もちろん、ジャズのバンド演奏も入っている。



ここでもオールザットジャズ!

その中をしずしずと運ばれるフルコースは、これまた量が半端ではない。前菜2種類に、スープに、魚に、肉に…。でも、これがかなーりくせのあるお味。肉はラムの骨付きローストが皿に山盛りなのだが、かなりくさみがある。魚と肉との間にでてきたレモンシャーベットが一番美味しかったような…。さらにサラダはロメインレタスが半束どかんと皿の上に盛られているし。多分、花束を模して洒落ているつもりなんだろうけれど、アメリカンシェフにはそういう細工ものの才能あまりないと思うので、ちゃんと切り分けてくれたほうが食べやすくて有り難いのだけど…。

しかし、ふと、となりを見ると、そのとんでもない量のフルコースをとなりの席のスイス人教授はすべて完食した上に、最後のデザートのソース(激甘)まで美味しそうにすくっている。やせているのになあ、体力が違うらしい。
そのスイス人教授に「フレンチクォーターってヨーロッパの人から見るとどう思います?」と聞いてみた。「うーん、装飾的だけど、フランス風じゃないねえ。なにか別のものにツイストしている。」とのお答え。納得。

パーティの途中で、いろいろと挨拶のスピーチがあるのはいつものことで、それを拍手しながらきいていると…。「みんなで踊るのがルイジアナスタイルなんだよ。」という突然の説明とともに、陽気なバンドが乱入。手をとられて盆踊りの如くみんなで踊りまくる羽目に。

いやあ、びっくりした。お堅いパーティしか行ったことがないので、このような体験は初めて。踊りの輪に取り込まれた私に対して、にこにこ笑いながらしっかりと逃げている配偶者はずるい。ただし、デジカメの電池が切れて、私が踊っているみっともないところが残されなかったのは天の配剤である。

宴はそれからも終わらず、体力がある人はバンド演奏でさらに踊っている。これには体力のない私たちは、さすがについて行けず、三々五々とホテルに戻ることに。
いやー、とんでもないバンケットであった。




このおじさんを先頭にして、ひとびとをスカウトして
大きな踊りの輪をつくっていくのである。

その8へ続く