3日目

 この日より私の単独行動。学会に用意されている同伴者用プログラムに参加する。 
最初につれていってもらったのがアニスキャンディの里、フラヴィニーというところ。村に入ったとたんに甘いアニスの匂いに包まれる。街路樹として大きなアニスの木が植わっているかららしい。

このアニスの種を芯にして、キャンディにするらしい。キャンディは砂糖甘いだけのシンプルなものだが、パッケージがたいへん可愛らしい。

アニスキャンディはお土産に持って帰ったのだが、香りが強すぎるのかちと不評。

アニスキャンディのポスター レトロっぽくていい感じ
ここはすでに人がほとんど住んではおらず、別荘地として使用されている場所だそうで、クラシックな建物が別荘として売り出されている。ああ、こんなところにアトリエでも持てたら、モネのような絵が描けるかも!(大嘘)でも、まあ、とんでもなく退屈そうではあるけれど。
お昼ご飯のレストランでもいきなり赤ワインと白ワインが!4人ごとに1本づつの計算で置かれている。勝手に飲んで下さいということなんだろう。

昼間っから…などと言わずに、さっさとみんなで乾杯する。(すでに、ワインのない昼食は考えていない。)

でてきたチキン料理にはマスタードがかかっているんだけど、何故かなつかしい味。そう!、ときがらしで食べるおでんの鶏肉だ!。(をい)

石造りの街角、中世のよう…。

この、おでんの鶏肉はディジョンの名物料理らしく、エクスカーションでは毎回これがでてくる

ディジョンの名物のひとつにマスタードがある。ディジョンマスタードという名称で世界中に輸出されている。だから、観光客は黄色い花の畑があると、芥子の花と期待してしまうが、実はそれはサラダオイルをとるためのカノーラの花だそうだ。

ディジョンマスタード用の芥子はカナダから輸入されているらしい。ガイドさんは皮肉に肩をすくめるが、まあ、考えてみれば博多名物のめんたいこの材料が北海道から運ばれているのといっしょだ。(福岡ではスケソウダラはとれない。)

この話にちょっとだけがっかりしていたのだが、実際にディジョンのマスタードを食べるとその美味しさにはびっくり。使用されているワインビネガーとワインが非常に上質だからだと思う。マスタードだけを舐めても美味しいくらいである。

もっと買ってくればよかったと後悔しきり。

修道院の見取り図

修道院の外観

 午後に連れていってもらったのが、フォントネー修道院。装飾や彫刻などの華美なものを排除したシトー派の修道院(マナステーリヨ)である。この単語を覚えていたのはネバさんのおかげダネ。)

シンプルでストイックな美しさがなかなかの場所だった。ここで修行するモンク(修道僧)はただひたすら祈るという過酷な生活を送ったらしい。まったく宗教的情熱というのは理解しがたいやね。

彼らが作り出したワインが現在のブルゴーニュの名声を作っている。(年1回くらいしか自分たちでは飲めなかったらしいので、必死になって高品質なものを作ったらしい。)

天をも突き刺ささんとする尖塔で飾られたゴシックスタイルの教会より、すこし柔らかな稜線をもつ、ロマネスクスタイルの教会のほうに惹かれるなあ…。

百合の花が揺れている…

この日の夕飯には、近くのモールにある小さなビストロにはいる。英語はまったく通じない。意志疎通に非常に苦労しつつも、おいしいハウスワインと、量もたっぷりのエスカルゴと、蒸したムール貝を注文することに成功。

このムール貝、洗面器のような大きさの入れ物に山盛りにされてでてくる。南仏あたりの料理だけど、ものすごく美味しい。つくづく、私は高級レストランの料理よりもこういったB級の料理のほうが好きだなあ、と思う。

 

 4日目につづく