「山荘天水」入口。実はこれは9月の時の写真。



これも9月の写真。たれをとりだせなかったので。
お宿は「山荘 天水」に。私が思いっきり宣伝して「ここがいい」といったので実は責任は重大。一応、9月に配偶者と二人でお昼に下見に寄ってはいるが…。
山中にあらわれた突然の美しい日本庭園に、みんなは目を丸くしている。ジョーダンやアダムが「ここは何?」と尋ねるので「ここに泊まるんだ。」とジョンが説明。彼らも「Cool!」とご機嫌みたいで、ホッとする。

紅葉にはまだ少しだけ早くて、庭はところどころ色付いているというくらい、それがちょっと残念かな。でも相変わらず川を背景に一部の隙もない美しい館内で日本の秋を楽しんでいただくには最適かと。部屋は露天風呂付きの日本間。(実は、オフ会のときに泊まった部屋と同じ部屋なのだが、そこに部屋つき露天風呂が増設されていた。)温泉ならではのお湯があふれている露天風呂にびっくりして子供たちは「お湯をとめなくていいのー?あふれてるよー」と叫ぶ。いや、大丈夫、ここ温泉だから。

香の焚きしめられた和室で、まずはお茶をいただきつつ。
ジョーダンの足の傷にびっくりして、仲居さんがオキシフルや絆創膏をもってきてくれる。血のついた足を、きれいな布でふいてくれたり手当をしてもらう。ほんと、お世話になりましたm(_)m。



旅館の部屋にて。
諸般の事情により美少年たちの花の顔(かんばせ)はお見せできません。残念。

さて、折角温泉に来たのだから、とにかく風呂に入らねば。ジョンは前に一度だけ温泉に来た経験があるので「浴衣を着るんだろう?」と一応の知識がある。まずは家族風呂を2つ予約する。仲居さんおすすめの「かま湯」はすぐには予約がとれなかったので、後に予約。浴衣に着替えて、タオルを持って、いざ出陣。

家族風呂はそれほど大きくはないので、男性4人で入るのはちと苦しい。だから、配偶者は遠慮して待とうとすると、背後からジョンが「教えてくれなきゃダメだよー」と。仕方なく4人で小さな風呂に入ることに。その後は私はのびのびとひとりで楽しめるからいいけれど、なかなか大変だった様子。隣り合わせの私が入った風呂にまで、ジョーダンやアダムの歓声が聞こえてくる。(いや、多分、あの声は多分ジョーダンだけかも。(^^;;;)

配偶者の話によれば、初めての「風呂」には大騒ぎ。最初彼らには熱すぎるために「沸騰しているー」と騒いだらしい。メリケン人はだいたいぬる湯。だからアメリカのホテルのシャワーは温度が低めに設定されている。

また、家族や友人といえども、いっしょに裸になるという習慣のない彼ら。アダムはとにかく恥ずかしがってタオルをとることができない。ジョーダンのほうはといえば、立ち入り禁止の柵は越えてしまって、ジョンに叱られている。子供といえども、日本人男性の平均くらいの大きさの彼らと、日本人基準でいけば大男のジョンと、4人で入る小さな風呂は芋の子洗い状態だったとか。ご苦労様である。
そのうち、声がかかり、風呂を交換。少しだけ広い「ひのきの湯」も体験してもらいましょう。

私は長湯が苦手なので、さっさと風呂を後にして、部屋に戻り、冷えたお茶などをいただいていると館内電話が鳴る。「このまま滝の見えるお風呂のほうに行くから、当分帰りません。」陽の高いうちに全部回っておくつもりらしい。

いつ帰ってくるかわからない彼らを待つのもなんだけれど、部屋の鍵は私が持っているので、部屋もでられず。こういう時の「部屋つき露天風呂だよねえ」、と、縁台の向こうにある石造りの露天風呂を楽しむ。川の流れを目の前に眺めつつ、大変に気持ちがよい。外のお風呂と違って、シャワーの勢いもあるので髪を洗うのには、便利だし。誰も人が入ってくることもないし、時間の制約もないし、なかなか素敵時間である。時々重く痛んでいた胃も、お風呂に入ってからはかなり調子もよくなっている。温泉はやはりありがたい。密航してきたたれたちを取り出し、お風呂で撮影など…。

そうやって私が、たれたちと和んでいた時間、今度は初めてのパブリックバスの体験にでかけた男性陣はまたまた大騒ぎだったらしい。話によれば、滝の見えるお風呂「滝観館」の男性用の風呂では、脱衣場から湯船までかなりの距離があるらしくい。だから脱衣した後そこまで歩かなければならないとのこと。この「ネーキッドウォーク(裸の行進)」には、ジョンですらためらっていたとのこと。

それでも、「桜滝」が見える開放的な風呂は彼らにも気に入ったらしく、かなりの時間を入っていたそう。それから、さらに「かまの湯」でジャグジーも楽しんだのだからタフである。短時間に4つの風呂にはいり配偶者はへろへろになって帰ってきた。湯あたりしなきゃいいけれど。ジョンによれば、すでに「温泉のエキスパート」状態だそうだ。



部屋つきの露天風呂にて、ちゅうたれ


夜のラウンジにて…。残念ながら、これはお水。

そして、風呂から上がったらお待ちかねの夕ご飯。お風呂にはいって後なので、お腹も丁度良く空いている。懐石料理は説明が大変なので、あらかじめ用意をしたメニューを持っていったんだが…さわぐお子様はそんなもの眼中にない。食前酒の代わりに用意したオレンジジュースがいたくお気に入りのよう。

天水の料理は、京都風の味付けの懐石のアレンジ。ベジタリアンのジョンやジョーダンには向いているが、アダムはちと苦手な様子。サラダでもトマトやピーマンを残していたし…。そんな彼らにも、すずきのクリーム煮は好評。生クリームの味が濃厚で、確かに美味しい。ベジタリアンだけど、乳製品だけはかかせないのね。

食事がメインにすすみ、豊後牛の朴葉焼きがでてくるが、ジョンとジョーダンは食べられない。宿の人に相談して、牛肉だけを除いて、付け合わせの野菜だけを朴葉にのせてもらう。ご厚意で付け合わせが2倍になっていた。ゴボウの揚げ物や、ミニさつまいもの焼き芋などは思いの外、好評で、食が極端に細いジョーダンも全部平らげていた。ふとみると、ベジタリアン二人に囲まれ、なかなか肉が食べられないアダム。牛肉が食べられると楽しみにしていたようだが…。なんか味噌味が苦手だったみたい。3切れしかないお肉を一部残していたし。ちょっと気の毒。

さて、慣れぬ温泉につかり、時差ぼけの影響のまっただ中の3人。すでに半眼状態。まあ、4つも連続で入れば湯疲れもするよね。座椅子にもたれかかりほとんど沈没寸前なので、「もう寝る?」と聞くと、ジョーダンが「いや、最後のデザートにアイスクリームがくるから。」と。メインを残しても、デザートだけは欠かさないアメリカ人根性。じょーだんサンハ、シンデモあいすくりーむヲハナシマセンデシタ。デザートは日本人好みに甘みを控えた仕様なので、そこまで待った甲斐があったやら、なかったやら。無事、お食事もすんで解散。

その後もう一度、私は室内の内風呂に入って就寝。山の中だから夜は厳しく冷え込む。がちがち震えながら湯船につかったら、外にでるのがイヤになったり。それでも、冷え性の私がこの日はポカポカしながら寝ることができたから、やっぱり温泉はありがたい。

翌朝。早めに寝たので、朝早くに目をさました配偶者は、まだ開けやらぬ中、部屋風呂に入っていた。寝ぼけて、石の風呂に足をぶつけて痣つくったのはご愛敬。

その3へ続く