大聖堂の街ケルン

ケルンの巨大なる大聖堂

ケルンはドイツ4番目の都市。まあ、福岡とかわらないくらいの人口や規模であり、国際見本市が良く開かれることで有名。。駅についたとたん、目印の大聖堂が見える。

この大聖堂、とにかく口をあんぐりと開けて見た。想像を超える代物である。霞ヶ関ビルよりも大きいそうだ。その表面を無数の彫刻が飾っている。数え切れないほどの聖者のガーゴイルの彫刻。呆れるほど細かい装飾。それが天をもつかんとするゴシックスタイルの尖塔を飾っている。

残念ながら、私の腕とデジカメ程度ではその巨大さ、凄まじさは写すことができない。(プロの写したパンフレットの写真はこちら

建造に200年以上かかったとか。絶え間なく補修されているとか。そしてそれは決して完成されないとか。(端から壊れていくんだろうなあ…)

じっとみていると、このようなものが現実に存在することがひどく嘘っぽく感じてしまう。見て、触ることができるにも関わらず「仮想現実」のよう。(マールブルグでちょうど「順列都市」を読み終わったばかりなので影響うけているますな。)

自分のすべてをコピーにして、永遠の時間を生き続けようとするのと、地上に天国を再現しようとする膨大な努力というのはどこか似通っている気がする。

なお、ケルンの大聖堂はスペインのバルセロナにそのオリジナルがあるらしい。ううむ、このようなものが2個以上もあるというのもすごい。

これほどのものを長い時間をかけてつくらせるという、「宗教的情熱」と「権力の誇示」との強烈さ…。(単純な「魂の救済」だけならば、これほどの大がかりな装置は必要ないはず。)

キリスト教というものの壮絶さの一面を垣間見るような気がするですよ。

おかげでケルンの一夜は、ゴシックホラーのような世界の蜘蛛の巣だらけの部屋ををひたすら逃げ続ける不条理な悪夢にうなされることになる。

こちらはロマネスクスタイルの教会

 

街並み

ケルンでは、ケルン大学のVogel教授夫妻にお世話になる。

夫妻も、たいへんな日本通で、何度も日本に訪れているらしく、下手な日本人より日本の文化に通暁している。

そごうはどのような状況になっているの?」と尋ねられてびっくり。なんでも大阪に滞在した間に、そごうによく通っていたらしい。

夫人の案内でローマ時代の遺跡美術館にもつれていってもらう。ローマ時代のガラスのコレクションは秀逸である。

ただし、いろいろと綺麗な展示物に気をとられながら歩いていたところ、階段ですっころぶ。もう恥ずかしいのなんのって。ドイツまで来て恥をさらすかね。おまけに手のつきどころが悪かったらしくて突き指もするし。

その後、街を散策。

大聖堂の近くの道端にはカフェがたくさんあって、みんなお天道様が高いうちからキルシュというケルン名物のビールを飲んでいる。それを横目でみつつ我々はアイスクリームで休憩

(アイスクリームも悪くはないが、のんべの日本人二人は内心キルシュというケルン名物のビールが飲みたかった。しかし、アッパークラスのご夫妻はそのようなものが飲める場所にはいかないようである。うう、残念。私らはしがない平民なのにぃ。)

夜は夫妻に「イタリアンレストラン」に連れていっていただく。レストランといえば、イタリアンというのが最高なおもてなしなようである。(いや、その、私はビールが…←未練があるらしい。)

割とあっさりとした味付けのドイツ風イタリア料理。ケルンはラインの河口の港町なので、魚料理が新鮮で美味しい。(ドイツはジャガイモが美味しいですね、と言ったら笑われてしまった。)

Vogel夫人とはしばらく日本食談義。彼女は毎朝緑茶を飲むらしい。いったいドイツでどうやって緑茶を手に入れるのだ、と聞いたところ、紅茶&ハーブティーのお店で売っているらしい。次の日にそういったお店に行くと、「緑茶」という漢字で書いた袋や缶にいれられて売られている。しかも、なんか果物フレーバーつきで。どう考えても怖ろしいと思うのだが…。

配偶者は話しの種にとオレンジフレーバーの緑茶を購入。ハーブティーのようでなかなかいけるんだそうだ。私はちょっとパス。

それにしても、ケルンでは何故か「漢字」が流行している。ウィンドーのディスプレイには漢字をロゴにしたTシャツが飾ってあるし、ビルには大きく「司」とか「乾」とか書いているのまである。(どういったセレクションなのでしょう。)

もしかして乾物屋さんのビル?と思ってしまった。←あるのか?乾物屋さん

泊まっていたホテルの玄関にあった修道僧の人形

不機嫌そうなおっちゃんなので…

たれを抱かせて上げる(親切)

 

美術館のカフェテラスでビールを飲むたれ

(飲んだのはちゅうたれじゃないでし〜)

翌日は、生憎の雨。(ドイツでの初めての雨である。)「はれぱんだ」はどうも荷物のなかに押し込められてしまったことが不服で、晴れにはしてくれないみたいだ。

雨の中、大聖堂の近くにある近代美術館に行く。日本から持っていったガイドブックでは星が二つ程度だったのだが、なんのなんの。なかなか侮れない、立派な美術館である。宗教画のコレクションも素晴らしいし、近代絵画の有名どころ(ピカソとか、シャガールとか、モネとか、ゴーギャンとか)がゴロゴロしている。(本当に無造作に作品が飾ってある。)しかもあまり有名でないのか、観光客の数も少ない。朝から午後の3時くらいまで十分に贅沢に楽しませていただいた。

それにしても、宗教画は残酷絵画が多い。現代の目でみた場合の「残酷」、ということにすぎないのかもしれないけれど。もしくは、宗教絵画を描くということを隠れ蓑に画家がグロテスク趣味を発散させていたにすぎないのかもしれない。修道僧の頭がすべて割られている絵画なんてのがあったぞ。

そういったホラーな絵画や彫刻を見るたびに「あ、かばねぶねー」いう配偶者。困ったもんである。

最後に駅で念願のキルシュを立ち飲む。

まわりのドイツのおっちゃんらはビールを飲みながら盛んに議論をしている。ドイツ語なので中味はわからないが、あきらかに激論とばしあっているのだ。多分、あのおっちゃんらは毎日、毎日、ビール飲みながら議論しているんだろうなあ。もしかしたらドイツ人は酒飲みながらの議論が趣味なのかもしれない。

ライン川見物をしながら、列車でフランクフルト空港へもどり、日本へ帰国の途につく。

空港には面白いことに大きなスーパーマーケットがあって、お土産選びが楽しい。(そこに辿り着くのに広い空港内を延々と迷い続けたけどね)

オマケに荷物を載せたカートで足をひかれるし。(今回の旅は受難?)従って帰りの飛行機では、もうひたすら眠いばかり。何をどうしたのか覚えてないほどに。

トランジットのソウルでは荷物を空港のコインロッカーに預けたところ、もう少しで配偶者が忘れそうになる。中には他でもない、うちの大切な「たれ」どもが入っているのだ!(悲鳴)。

もしも忘れたら、私は来週の日曜日に韓国まで取りに行くぞ!(本気)と配偶者にクレームをつけつつ帰宅。あぶなかったでし。

大きな建物が多くて写真が撮りにくい

ということで、完