火曜日からフリータイム

この日から私はフリーな時間を過ごせる。

勿論、エクスカーションも楽しいけれど、たくさんの観光地を見回るよりも、自分の足でゆっくりのんびりと街を歩くほうが、私のスタイルというものである。従って、フリーの時間が多いのは有り難い。←てゆーか、体力がないだけか

そこで、朝からちゅうたれを連れて、写真を撮影。早朝のドイツ、マールブルグあやしげな日本人がひとり、わけのわからない生き物のぬいぐるみを最新式のデジタルカメラで撮影するのである。さぞかし、不思議な風景だっただろう。従って早朝を選び、人通りの少ないところを選んでのこそこそとした撮影となる。

撮影にあきると、そこらへんのカフェにはいり、本を読む。ちなみに持っていった本は、グレッグ=イーガンの「順列都市」などなど。果たしてオーストラリアSFがドイツに相応しいのか、という疑問は残るが…。

こういう写真をとりまくったのである。

アンティークな実験器具のおいてある不思議な店

本といえば、ドイツの都市は本屋が非常に多い。(アメリカやフランスとの比較。)まるで日本みたいだ。マールブルグは学園都市なので、余所以上に多い。アンティークブックスと看板を掲げた由緒ありげな古本屋さんもある。

ハリー=ポッターが大流行しているらしく、どこでも平積みにしてある。店先にハリーの人形が置いてあるところまである。

ドイツ語ではちょっと手に合わないので、英語版の「ハリー=ポッターと賢者の石」を購入してしまうことになる。しかし、考えたら、日本で買えばよかった。ドイツでも英語版は輸入本なのだ。重い思いをしただけナリよ。

異色だったのが、アメコミ専門店。(輸入本屋なのかも…。)看板にスパイダーマンの人形が這ってるし。あきらかに、大学生のオタク向けというか。

中に入ると綾波Tシャツ初号機のフィギュアが置いてあるし。セーラームーンとからんま1/2のドイツ語版とか置いてあるし。

ううむ、オタク文化はドイツまで浸食しているのだ。(オタクの巣窟と言われるテキサス大学だけじゃなかったんだねえ。)ついでにピカチュウなら普通のオモチャ屋でも大量に見かけることができる。

(後から、ドイツ語版の日本漫画は買っておけばよかったと後悔したが、なんとなく店のおじさんの雰囲気が怖かったので、何も購入しなかったのだ。←こんじょなし)

マールブルグのアメコミ専門店

水曜日は移動市

水曜日、広場が移動店舗でにぎわう

水曜日には街のあちこちにも野菜屋、パン屋、ソーセージ屋の移動店舗がでている。散歩しながらひやかして歩く。見たこともないような野菜や、種類の豊富なソーセージ、面白い、面白い。

マルクト広場にも、たくさんの移動店舗。ふとみると、みんな小さなパンにソーセージをはさんでもらっている。

教授の午前の講演が終わるのを待って、マルクト広場につれていく。後込みをする彼をおいて、片言のドイツ語とほとんどボディランゲージだけで、私もソーセージパンを入手。なんとかなるもんだ。

「チュース(バイバイ(^_^)/~って感じのドイツ語)で締めくくって終わり。

お昼が終わったら、移動店舗は早々に店じまいしていた。

全体エクスカーション

水曜日の午後、この日は、全体でのエクスカーション。今回、会議の参加者はたいへんハードな日々を送っていて、ディナーが終わってからも夜遅くまでミーティングや発表がある。なかなかにまじめな会議なんである。(ほら、強調しておいたからね>教授)

これはなかなかに参加者にはこたえたらしい。今日が初めてのガス抜き

すでに私は見慣れた街を、今度はガイドさんつきで見回る。小さなグループなのだが、国がごっちゃのヘンな団体に見えるらしく、結構好奇の目で見られる。ま、しかたないっか。

やっぱりガイドさんは親切で、しかも迫真の演技力でもって説明してくれる。(それにしても、延々といつまでも化学の議論をしている化学ヲタクな参加者たちよ。少しはガイドさんの話を聞け。)

グリム兄弟の住んでいた家や宗教改革のマルティンー=ルターが逗留した宿などを見て回る。ここ、マールブルグの城ではルターとの大議論があった場所らしい。うーむ、なんというか団体さん観光客…。

街のあちらこちらにある由緒ある銅像

グリム兄弟の家はふつーなので写真は撮っていない。

マールブルグ城

マールブルグ城の博物館も巡る。こちらの博物館や美術館の入場料はたいへんに安い。結構、いい博物館なのに、ひとり1DM(ドイツマルク)(50円くらい)だったりする。

そのかわり、ブックレットなどは有料。(それでも1〜2DM)さすが、環境問題に厳しいドイツ。この方式だと無駄にパンフレットを持って帰らなくてすむし、大事にする。個人的にはたいへんリーズナブルでいい方法だと思うんだけど。(実際、日本に導入するとなるといろいろ文句言う人間は多いとは思うが。)

ついでに書くと、。特に感心しちゃったのは、トイレである。ちゃんと清潔ではあるのだが、およそ飾りというものがない。しかもそのトイレットペーパーがこれでもかというほど、ごわごわざらざらの再生紙なんである。(もう、硬いのなんのって…。)ドイツ的徹底というものかもしれない。

この日、Keese教授といっしょに食事。すでにリタイアはしているが、長身のかくしゃくたるドイツ紳士。鋭い頭脳を思わせる眼光の持ち主、しかも物腰は優しく暖かみがある。フレーズの合間に合間に絶妙の「ha」(表記不可能)という音を挟むのが、妙にかっこよかったり。

ラフな格好も伊達な、たいへんにダンディなお方なのである。インディ=ジョーンズのときのショーン=コネリー乾燥させたような感じ。

彼の研究の後輩である教授を息子のように可愛がってくださる。

食事中に、イーストで半濁り状態のビールの名前を訊く。(こういうことしか質問できないんかい>自分)他のひとたちが飲んでいるのを羨ましくて見ていたのだ。weizenという種類らしい。銀河高原ビールによく似た味で、たいへんに味わいが深い。

癖のあるものが好きなひとならおすすめ。

Keeze氏は「ドイツ人はPotato-eaterだから」といって片目つぶりながら苦笑したが…(えーい、こういうところまでかっちょいいオヤジなのだ。)ドイツのポテトは本当においしかったです。

マールブルグ城の入り口にあった水盆。豚の彫刻つき