6日目

この日はさすがに最後のバンケットを断ることにした。エクスカーションもなし。もう疲れはピーク。

ちょっとぶれてしまったけどフランスのゲームショップ

ひとりで近くのモールを彷徨う。モールはまさしくアメリカンスタイルで、大きなスーパーマーケットも入っている。

ゲームショップの前には大きなピカチュウの看板だとか、ベイグランストーリーの看板とか。こっちでもポケモン人気は高いらしい。

他のところでもピカチュウはたくさん見かけたし。小さい子はポケモンのTシャツ着ているし…。

ニンテンドーおそるべし。

歩き回って疲れたところで、ひとりでカフェにはいり、カフェ・カプチーノを注文する。注文くらいならフランス語にも対応できるようになったのだ(えへん)。

(モノの名前に数と「しるぶぷれ」を付け加えるだけだってば。)

えへんはいいが、でてきたものは、どう見てもウインナコーヒーである。山盛りの生クリーム……。あうう。私、苦手なんだ、生クリーム。

ラベンダーのシーズン。

モールの前庭にはラベンダーがいっぱい。

発音とか、そこらへんの問題だろうか?いつも悲しき外国語だ。仕方ないのでしおしおとウィンナコーヒーを飲む。

夕方は、教授が帰ってきたところで、ディジョン最後の晩餐に先日いったビストロにもう一度行く。山盛りのムールが気に入ったんだもん。

やっぱり、パーティは芯が疲れる。こんな生活、1週間だから耐えられるけれど毎日だったら大変だ。しみじみとムール貝をつつく。

最終日

この日ディジョンを後にして、帰国の途に。飛行機を待つ間、ほんの少しだけパリ見物。

結局前の日に荷物をパッキングし終えず、朝にやる羽目に。(だから、ワイン、飲み過ぎだってば)

再び、TGVでシャルル=ドゴール空港まで行き、日本へ帰国する。航空機の時間までは何時間があるので、一応、パリも足跡を残せる。

パリのリヨン駅でTGVを降り、いざ花の都パリである。

まずはパリ名物?の有料トイレを体験する。それにしても、有料トイレのコインは自動販売ではなく、売り子さんがいる。人件費でるのだろうか?といらぬ心配。

広いリヨン駅のなか、コインロッカーという英語の表示はない。コンシェルジェというのが、フランス語での荷物預けの名前らしい。

ところで、合衆国と違って、フランスにはなかなかジュースの自動販売機がない。リヨン駅でやっと見つけてコーラを購入しようとしたが…。

お金を入れたにのに、ジュースが出てこない(涙)コインももどらず。(滂沱涙)うむ。もしパリにいくことがあったら、リヨン駅やらずぶったくり自動販売機には注意しよう。

リヨン駅。

歴史を感じさせる建物

 

パリのマロニエの並木道
ディジョンがよい気候であっただけに、パリが蒸し暑く感じる。そうか、今は「夏」だったのだ、と思い出す。

しかしながら、福岡に帰って、このパリの蒸し暑さがあくまでも序の口であったことを思い知る。

食事をした後に、さて少し時間がある。教授はせっかくパリにきたのだからルーブル美術館とシャンゼリゼでもいってみるか、というので、まずはルーブルへ。

しかし、美術館の建物が少々立派でも中にはいらって美術品を見なければ、なんの価値もないではないか!。ひとり50フラン(800円〜900円)程度なので、後込みする教授の後を押してえいやっとばかりに強引に中に入る。(といっても見学時間はたったの40分しかない。)

ゆっくりと見る時間があれば、さぞかし素晴らしいと思われる美術館のなか、お目当ての「サモトラケ島のニケ」をさがしまくる。ニケは、思った以上に大きい。

これなのか…という感慨に耽る。

ルーブルの前庭
モナリザに群がるひとひとひと

その後、そこからすぐ近くで「モナリザ」が見えるというので、そちらに急ぐ。巨大なルーブルで40分の中で見ることができたのは僥倖である。

私は「モナリザ」という絵はそれほど好きではない。というより、好き嫌いを超えて、それはもう記号化され、使い古され、手垢がつきすぎたもののように思えていた。

印刷された「モナリザ」はすでにカレンダーの絵柄としてさえ陳腐だ。

しかし、ルーブルのガラスケースの中に納まったそれは、印刷され、記号化されたものとは全く別物である。美しく気高くもフェミニンな微笑。圧倒されるくらいの存在感。

 

勿論、照明の技術によるところも大きい。しかし、印刷されたものからはいかんともしがたくこぼれ落ちてしまうオーラのようなものが、この絵画にはある。

正直、これを見ることができただけでも、ルーブルに入った価値はあった、と言える。

ルーブルに行ったせいで、それだけでパリ見物は終わりになったけど、十分満足だったし、もし機会があれば、もう一度、行きたい。本当に。

と後ろ髪ひかれる思いのまま空港に。最後のフランをワインとチーズの購入にあて…日本へと帰国したのである。鞄の中で、チーズが沢庵のようなすさまじい発酵臭を放つ(汗)フランスの食べ物ってちょいと違う。

ところで、帰国した福岡は、蒸し暑いと思っていたパリが天国に思えるほどの、酷暑であった。飛行機を降りた瞬間に…うんざり(涙)…。

さて、長々と続きましたフランスレポート。最後までお付き合いいただいた方々に感謝します。

はっきりいって飲んでばかりでごめんなさいかも。ディジョンは本当にいいところでした。